【 合同会社FIBS.life 公式コラム】未来を広げる、マインドセット〜経営と組織を前進させる思考のあり方〜

イメージ図

はじめに、マインドセットとは何か?を話していきます。
マインドセットとは、これまでの経験、教育、周囲からの影響、先入観などによって形づくられた思考の様式や信念の集合体を指します。

物事をどう捉えるか、どう判断するか、どのような行動を選ぶか、といった結果的に行動や成果を左右することになる「思考の前提」です。

よく「マインド(心)」と混同されがちですが、マインドは一時的な感情や心理状態(不安・喜び・焦りなど)を指し、マインドセットは“長期的に形成された思考の癖”や“前提条件”のようなものです。


たとえば、同じ失敗を経験したとしても、
「自分には向いていなかった」と感じる人
「やり方を変えれば次はできるかもしれない」と考える人
がいます。
この違いを生むのが、まさにマインドセットです。

成長型マインドセットと固定型マインドセット

まずは、2つのマインドセットの違いを押さえておきましょう。


⚫︎ 成長型マインドセット(グロースマインドセット)
「人の能力は努力や工夫によって伸ばすことができる」
と信じる考え方です。
⚫︎ 固定型マインドセット(フィックストマインドセット)
「人の能力は生まれつき決まっていて、大きくは変わらない」
と捉える考え方です。

成長型マインドセットを持つ人は、困難な課題や未知の挑戦に直面したとき、それを「失敗のリスク」ではなく「学びの機会」として捉える傾向があります。

固定型マインドセットの様な考えが強いと、自分の能力が否定されることを恐れるあまり、批判や指摘を自己否定と感じてしまうことが多く、難しい課題を避けがちになってしまします。
新しい挑戦よりも「できる範囲」に留まることで、安心を得ようとするのですね。

ここで重要なのは、私たちは、成長型と固定型、どちらか一方ではなく両方のマインドセットを持っているという点です。
分野や状況によって、どちらが強く表れるかが変わります。

イメージ図

マインドセットは、一生変わらない生まれ持った性質ではありません。自分の意思と環境によって少しずつ書き換えることが可能です。
「自分の能力は努力次第で伸ばせる」と、心から納得する体験を積み重ねることで「やれば変われる!」という確信が育っていきます。
たとえば、これまで苦手意識のあった業務に小さく挑戦し、わずかでも前進できたら、その事実をきちんと認識することから始めてみると良いでしょう。

企業・組織におけるマインドセット

個人にマインドセットがあるように、企業や組織にもまた、共通のマインドセットが存在します。
それは、経営者やリーダーの価値観、意思決定の癖、失敗への向き合い方が積み重なって形成される、いわば「組織の思考の前提条件」です。

目に見えるものではありませんが、どのような意思決定がなされ、どんな行動が許容され、何が評価されるのかを静かに規定し、組織の成果や成長速度に大きな影響を与えます。

イメージ図

とりわけ重要なのが、経営者やリーダー自身のマインドセットです。

経営者マインドとは、企業の発展を目指すリーダーが持つべき心構えや思考法、意識の総称であり、意思決定の速さや質、そして組織を率いる力の土台となるものです。

組織のマインドセットは、トップの姿勢から伝播すると言っても過言ではありません。
問題が起きたとき、他人や環境のせいにするのか、自分ごととして引き受け、次の一手を考えるのかこの姿勢の違いは、組織全体の空気を大きく変えます。

自己責任の原則を重視する経営者は、自らの強みと弱みを認識し、フィードバックを受け入れながら常に自己改善に取り組みます。
その姿勢は「失敗してもよいが、学ばないことは許されない」というメッセージとして、組織全体に伝わっていきます。

成功だけでなく、失敗も学習材料として共有され、社員がリスクを恐れず、新しい提案や挑戦を行え、問題が起きた際に、責任追及よりも解決策探索が優先される様な社風であれば、これはまさに、組織レベルの成長型マインドセットが根づいた状態と言えるでしょう。

経営者目線で考える「育てたい人材像」

経営者の立場から見たとき、経営者マインドと労働者マインド、どちらの社員を育てるのが得なのか?

イメージ図

主体的に物事を捉え、責任を引き受けながら自らの意思決定のもと行動する経営者マインドを持つ社員、
自分に与えられた役割やタスクを確実に遂行することに重きを置く労働者マインドを持つ社員


経営者マインドを持つ人は、問題解決能力が高く、仕事の範囲を自ら広げていく傾向があります。その結果、「仕事ができる人」と評価され、さらに多くの仕事や重要な役割が集まります。

一方で、労働者マインドは責任範囲が明確で、ルールやプロセスを守りながら仕事を進めるため、安定性が高いのが特徴です。ルーチンワークや定型業務を正確にこなす力は、組織にとって欠かせない価値です。


品質の維持や業務の再現性という観点では、労働者マインドが強く必要とされる場面も多くありますが、
気を付けなければいけないのが、労働者マインドに偏りすぎると、

「指示がなければ動かない」
「やり方を変えたほうが良くても、従来通りを選ぶ」

といった状態に陥りやすいこと。

与えられた仕事はきちんとこなせる一方で、それ以上の改善提案や価値創出が生まれにくくなる、という点が否めません。

イメージ図

では、経営者の立場から見たとき、
経営者マインドと労働者マインド、どちらの社員を育てるのが得なのか。

結論から言えば、社会的にも、そして企業成長の観点からも、より求められる場面が多いのは経営者マインドです。

指示待ちではなく、自ら考え、行動できる人材は、変化の激しい環境において特に価値を発揮しますし、現場レベルでも「一緒に仕事がしやすい」と感じられることが多いのが実情です。

ですが、誤解してはいけないのは、労働者マインドが劣っているわけでは決してないという点です。
目の前の課題に集中し、安定して成果を出し続ける力は立派な能力であり、企業にとって欠かせない存在であることに変わりはありません。


重要なのは、どちらか一方に偏ることではなく、同じ人間であっても状況に応じてマインドセットを使い分けられる状態をつくることなのです。

そのためには、社員教育において、組織全体のビジョンや目標を理解し、「自分の仕事がどこにつながっているのか」を把握してもらうことが大切です。
漠然とこなしていた業務が、自分の役割と責任範囲が明確になることで、今は労働者マインドで集中すべきなのか、それとも経営者マインドで一歩踏み出すべきなのかが社員自身で判断できるようになります。


責任範囲を守りつつ、可能な範囲で主体的に動く。
このバランスこそが、組織にとって最も健全で、持続的な成長につながる姿だと言えるでしょう。

まとめ

ビジネスで成果を出し、組織を成長させていくうえで、マインドセットはスキルや知識以上に重要な要素です。
しかし実際には、会社を経営している人であっても、経営者マインドを本当の意味で理解し、意識し続けている人は案外多くありません。

経営者マインドとは、単に「立場が上だから持つもの」ではなく、主体的に考え、責任を引き受け、未来に向けて意思決定をし続ける姿勢そのものです。

経営者が持つ従業員を大切にする姿勢や、社会貢献への意識は、結果として信頼を生み、組織のマインドセットにも良い影響を与えます。
そして、その一貫した姿勢こそが、社員一人ひとりの成長型マインドセットを引き出し、組織全体の力を底上げしていくのです。

イメージ図

経営者であっても、従業員であっても、立場は違えど求められる本質は同じです。
自ら考え、責任を持ち、より良い未来をつくろうとする姿勢を忘れないこと。


成功するためのマインドセットとは、
「常に正解を出し続けること」ではなく、
ぶれない軸を持ち、学び続け、行動し続けることです。

こうした日々の小さな積み重ねが、後に大きな個人の成長を生み、組織を強くし、結果として事業の成功へとつながっていくのではないでしょうか。

この記事の監修・執筆
合同会社FIBS.life 代表
塩入孔志